社会貢献

1.環境問題

内航海運の二酸化炭素排出削減への取り組み

 内航海運業界では、地球温暖化対策計画において、2030年度までのCO2排出削減目標を、2013 年度比で157万㌧-CO2(約15%削減)として、省エネに取り組んできました。そうしたところ、2020年10月の内閣総理大臣所信表明演説で、「2050年までに、温室効果ガスをゼロにする、すなわち2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指す」との表明がありました。
 これを受けて内航海運業界でも、2021年4月より「内航カーボンニュートラル推進に向けた検討会」を開催し、その結果、内航海運の地球温暖化対策計画での2030年度までのCO2排出削減目標を181万㌧-CO2(約17%削減)の削減に修正しました。
 内航業界では、この目標を達成するため、連携型省エネ船の開発・普及に取り組む予定です。(内航総連HP参照)
 また、上記の温暖化対策の先駆けとして環境負荷の低い輸送手段の一つに船舶は挙げられており、車での輸送から鉄道、船舶の低負荷大量輸送が可能な物流に転換していくモーダルシフトにより船舶の重要度は日を追うごとに高くなっています。

(出典:国土交通省


2.日本人の生活・経済に密着

生活・経済に密着した仕事

 船で国内の港から港へ貨物を運ぶのが内航海運です。日本では昔から「北前船」などの船による物資輸送が盛んに行われ、今日では5000隻余りの内航船が港と港を網の目のように結んでいます。
 国内貨物の主な輸送機関は、内航海運のほかにトラック、鉄道がありますが、内航海運は、貨物輸送の約4割を担っており、大変重要な役割を果たしています。
内航海運で運ぶ主な貨物には、鉄鋼製品、セメント、石灰石、穀物飼料、紙、自動車、砂利、日用雑貨、食糧、石油製品、LPガス、石油化学製品等の日常的に使われる資源や変わったところでは、新幹線や地下鉄の車両、大型プラント、建設用機器、工業用水といったものもあります。

 このように、内航海運は、産業基礎資材から、生活必需品に至るまで、様々な貨物を運び、「国民生活を支える縁の下の力持ち」として日々活躍しています。
 例えば、製鉄所では、外航船で運ばれた鉄鉱石や石炭、内航船で運ばれた石灰石等を原材料として各種鋼材が生産されます。この鋼材製品が内航船で流通基地などに運ばれ、自動車メーカーなどの工場でボディーやシャーシ等に加工され自動車に生まれ変わります。そして、この自動車を内航船が各地の物流拠点まで運び、トレーラーで販売店へ届けられるのです。

 我が社は環境に対する行動の一つとしてSDGs行動宣言を掲げており、今後も持続可能な達成目標に貢献していきます。

3.災害支援

一日も早い復興をささえるために

 日本はこれまで多くの地震をはじめとする災害に見舞われてきました。そのたびに道路やライフラインが寸断され、被災地への支援物資がなかなか届かないといった問題がありました。一刻を争う被災地において、支援物資の到着は被災地の復興の第一歩とも言えます。
 この状況を支援するのが「内航海運」なのです。道路が寸断されても日本は海洋国家、海に囲まれており、どこからでも支援物資を大量に運ぶことができます。これまでも阪神大震災や東日本大震災、熊本地震などの際には、内航海運業者が協力して被災地へ支援物資を届けています。

(出典:日本内航海運組合総連合会